雅楽の三管のひとつ、笙。17本の竹管をもつその姿から鳳笙(ほうしょう)とも呼ばれ、その音色はまるで天上から降り注ぐ光。世界初ともいえる本格的な笙のサンプリングを実現。雅楽から現代音楽まであらゆる音楽シーンで活用できるKONTAKT音源に仕上げました。
SHO(KONTAKT Full版)をお持ちの方向けのアップグレード版(税込 ¥3,718)もご用意しております。詳細は特設ページをご覧ください。
主な特徴
- 演奏家・石川高氏による演奏を丁寧にキャプチャー
- 笙の全15本の竹管(*)の単音と11種類の和音を、個別に全奏法で収録。雅楽から現代音楽まであらゆる音楽シーンで活用可能
- 笙の演奏手法を分析し、インストゥルメントモデルを開発。笙特有の和音演奏(合竹)と単音演 奏(一竹)を自由に組み合わせて演奏可能
- 本物の笙と同じ配列の指使いで和音や単音程を指定して演奏可能な2種類のキーモード
- 笙の複雑な菅の配置と発音状況を把握できるパイプインジケーター
- 雅楽特有のピタゴラス律のほか、平均律や自由な音律を設定可能なスケールチューニングを装備、古典音楽からコンテンポラリーまでシームレス対応
- 音が途切れることなく、多彩なアーティキュレーションヘ変化させながら演奏可能なキートリガーコネコション機能
- 無段階かつ自然に音色変化を加えるエクスプレション・コントロール
- 演奏者の人数を3人まで増やせるEnsembleセレクターを搭載、雅楽管絃での合奏に対応可能
- 24bit、96kHzで録音された生々しく繊細なサウンド(製品は24bit、44.1kHzで収録)マルチマイクで収録、Direct、Overhead、Room、Stereo Mixを個別に専用Mixerでミキシングして音作りが可能
- NKS対応。NATIVE ACCESSからの直接インストール
*笙の竹菅は全部で17本ありますが、実際に音が出るのは15本です
竹管1本1本を丁寧にキャプチャー
笙の演奏は石川 高(いしかわ こう)氏。雅楽演奏グループにも所属しながらもコンテンポラリー音楽にも精通した石川氏の精密な演奏を通して、複雑な笙の楽器構造を分解し、竹菅1本1本を丁寧に録音しました。
ストレート(吹き音/吸い音)、フラッター(吹き音/吸い音)、スフォルツァンド、クレッ シェンド、トレモロスロー(吹き音/吸い音)、トレモロファースト(吹き音/吸い音)など、笙で用いられるあらゆるアーティキュレーションをChord Tone(合竹)とSingle Tone(一竹)で収録。
すべてのアーティキュレーションはキートリガーコネクションにて、音を途切れさせることなくシームレスに切り替えることができます。
特有の表現を再現する
独自の発音メカニズム
複数の菅を同時に鳴らす11種類の和音(合竹) “Chord Tone”と1本の菅を鳴らす単音(一竹) “Single Tone”が独立して演奏可能。もちろんアーティキュレーション・コントロールも 独立して行うことが可能です。
複雑な竹菅の配列と発音状態をモニター可能なパイプ・インジケーターを装備。菅の音名が古典音名でわかりやすく表示され、Chord Tone(合竹)演奏時には11種の和音名も表示されます。後述のスケールチューニング・ボックスと連動して動作するため、各竹菅の音を鍵盤の音程でモニタリングでき、とても便利です。
クロマチック・キー配列のほか、笙と同じ指使いで演奏可能なフィンガリング・キー配列を用意しました。このキーモードでは白鍵を竹菅に見立てています。
両手の指を白鍵に置き、まるで15本の竹 菅の穴を塞ぐように演奏することができます。笙の演奏家の方に非常に使いやすいばかりでなく、楽器の理解・学習にも大いに役立ちます。
息づかいまで、完璧に表現
延々と続く持続音が特徴の笙ですが、息遣いによって多彩なアーティキュレーションを表現可能です。そしてそのほとんどが音が持続させながら自然に繋がって変化していきます。このような挙動を再現するキートリガーコネクションを装備、演奏中にキースイッチを入れることで 任意のアーティキュレーションへと自然に変化させることが可能です。
サンプルベースでありながらも、滑らかでダイナミックな息づかいを表現することができるため、さながらウィンドコントローラーのような感覚で鍵盤演奏が可能です。加えて息のスピードによる音の立ち上がりを再現するブロウスピードを搭載。汎用コントローラーでも、もたつきのない演奏が可能です。
演奏中に音を積み重ねたり、ある音だけを違う音程に移動させるなど、単音でも和音でも 可能なポリフォニックレガート奏法が可能です。複数の竹菅を持つ笙ならではの奏法といえるでしょう。ポリフォニックレガートはSustain Pedalで瞬時にON/OFFが可能です。
雅楽の管絃では楽器ごとに複数の奏者が配置され、厚みのあるユニゾン演奏を行います。アンサンブル機能によりソロ、2人、3人のモードを選択でき、各奏者の演奏のずれ具合、配置の広がりをコントロール可能です。
システム要件
対応製品 | Native Instruments KONTAKTバージョン6.6 以降、またはKONTAKT PLAYERバージョン6.6以降 |
データ容量 | NCW 2.38 GB(WAV 約3.15 GB相当) |
システム要件 | KONTAKTおよびKONTAKT PLAYERの最新の対応状況はNative Instruments社のWEBサイトをご覧ください |
ユーザーマニュアル | ユーザーマニュアル(PDF)を見る |
演奏家
石川 高(Kou Ishikawa)
1990年より笙の演奏活動をはじめ、国内、世界中の音楽祭に出演してきた。
雅楽団体「伶楽舎(れいがくしゃ)」に所属し、雅楽古典曲や現代作品を数多く演奏している。笙の独奏者としても、様々な音楽家、作曲家と共に活動し、また即興演奏を行う。催馬楽など雅楽 の歌唱でも高い評価を受けている。
和光大学、学習院大学、沖縄県立芸術大学、九州 大学にて講義を行い、朝日カルチャーセンター新宿にて「古代歌謡」講座を担当している。
2016年には、Festival fur Aktuelle Klangkunst (Trier)、No Idea Festival (Austin)、The Empty Gallery (Hong Kong)、Sounds to Summon the Japanese Gods (Japan Society, New York)、 2017年には、In a Winter garden (Stanford University, California)、Yugenism: Animated Soundscapes of the Japanese Sublime (London)、ISCM World New Music Days 2017 (Vancouver) 等に参加した。
公式ホームページ http://radiant-osc.com/