KOTO 17、KOTO 20 活用Tips Vol.2

 

前回に引き続き、KOTO 17KOTO 20の活用Tipsを紹介していきましょう! 今回は各製品に収録されているアーティキュレーション(奏法)の概要をお送りいたします。

17絃箏と20絃箏は、それぞれサウンドキャラクターや楽曲内での使われ方も違いがあることは前回のblogで紹介した通りですが、基本となるアーティキュレーションはほぼ共通となっています。それぞれのサウンドをお聴き頂ける動画も作ってみましたので、ぜひ合わせてご覧ください。

Picking

箏でもっとも基本となる弾き方が、右手に付けた爪で絃を押すように弾くというものです。爪は親指、人差し指、中指の3本それぞれにはめて使うため、どの指で弾くかによってもサウンドは変化します。

KOTO 17、KOTO 20ともに3本の爪によるサウンド変化を再現。フレーズや鳴らす弦によってアーティキュレーションを切り替えることで、よりリアルな演奏表現が行えます。

 

Pizzicato

弦楽器ではお馴染みのピッツィカート。箏の場合は爪を付けていない指で絃を弾く奏法のことを指します。

またヴァイオリンなどと違うのが、右手と左手のどちらでも弾けるということです。KOTO 17、KOTO 20では、両方の指でのPizzを再現 可能で、微妙な音色変化を表現することができます。

 

Sukuizume(スクイ爪)

親指で絃を弾く際に、通常のピッキングとは逆に、爪の裏を使って奥側から手前側に絃を”すくう”ように弾く奏法です。通常のピッキングと組み合わせて使うのが一般的です。

 

Chirashizume(散らし爪)

絃をはじくのではなく、爪を使って右から左に擦るようにして音を出す奏法です。爪を動かす速度によってニュアンスが変化します。KOTO 17、KOTO 20では3段階(速/中/緩)のアーティキュレーションを用意しています。

Bend(押し)

絃を上下に押し上げることで、ちょうどピッチベンドのような音程変化を付けて演奏する奏法です。弾いてから押す(押し上げ)か、押してから弾く(押し放し)かによってベンドアップ/ダウンを鳴らし分けることができます。

KOTO 17、KOTO 20では押し上げ、押し放しに加えて、その2つを組み合わせた後押し〜押し放しの3種類を収録。またKOTO 20では音程の変化幅を半音/全音の2段階で切り替えることができます。

Tsuki-Iro(突き色)

絃を弾いた後に、突くように一瞬だけ絃を押して音程変化を付ける奏法です。

 

Yuri-Iro(揺り色)

絃を弾いた後に、左手で絃を揺するように動かすことでビブラートを付ける奏法です。KOTO 17のみに収録されます。

 

Tremolo(トレモロ)

同じ絃上で爪を細かく動かす奏法です。

 

Keshizume(消し爪)

左手の人差し指の爪を絃に軽く当てることで、余韻の短い、独特のミュートサウンドを鳴らす奏法です。KOTO 17、KOTO 20ではKesizumeのキースイッチ(E1)を入れながら発音することで消し爪を再現します。

 

Mute String

発音している絃をミュート(止める)するキースイッチです。

 

Alternate Picking

KOTO 17、KOTO 20には3種類のオルタネート・ピッキングのアーティキュレーションを収録しています。

これらはキースイッチでアーティキュレーションを切り替えるだけでなく、Sus.Pedal ControlをONにすることで、サスティン・ペダルを踏み込んでいる間、ノートオフでオルタネイトピッキングを発音させることもできます。この機能を使うことで、自然な連打感をキースイッチを切り替えることなく行えます。

 

 

Phrase bank

また、サンプリング音源や打ち込みでは表現の難しい特殊奏法は「Phrase bank」として収録しています。各フレーズは奏法ごとに別々のバンクに収録されており、MIDIキーボードから直接バンク切り替えとフレーズのトリガーが行えます。