KOTO 13 Version 2の新機能について

先日リリースし、お陰様でユーザーの皆様からもご好評を頂いている「KOTO 13 Version 2」ですが、今回のblogでは、従来のKONTAKT Full版から具体的に何が変わり、どう進化したのかを改めてご紹介します!


アーティキュレーションの追加と最適化

左がKONTAKT Full版。右がKOTO 13 Version 2

箏は比較的シンプルな楽器ですが、それだけに弾き方(奏法)によってサウンドや表現が多彩に変化します。そのサウンド変化を再現するため、新しいアーティキュレーションの追加と最適化を行いました。

オルタネイト・ピッキング

ご承知の通り、打ち込み時の課題の1つが「連打表現」です。同じノートを連続して発音させたときに、異なるサンプルを発音させる「ラウンドロビン」もありますが、生演奏と比べて”なんだか不自然”に聞こえてしまうケースは多いのではないでしょうか。

そこでKOTO 13 Version 2 では、3種類の「オルタネイト・ピッキング」を追加しました。このアーティキュレーションは、ノートオンとノートオフのタイミングでそれぞれ違うサウンドを発音させるというもので、細かなキースイッチ操作を行うことなく自然な連打表現が可能になります。

具体的には、以下のような組み合わせで発音します。

・Alternate Picking 1 ノートオン = Picking Thumb、ノートオフ= Picking Middle
・Alternate Picking 2 ノートオン = Picking Index、ノートオフ= Sukuizume
・Alternate Picking 3 ノートオン = Picking Middle、ノートオフ= Chirashizume 1(Fast)

また「instruments」ページ内の「Sus. Pedal Control」をONに設定すると、キーオンで通常のピッキング、キーオフでオルタネイト・ピッキングを自動切り替えすることもできます。通常演奏からペダル操作で瞬時にオルタネイト・ピッキングを発音できるので、演奏やMIDI入力時の手間が大幅に解消します。

サスティン・ペダルを踏んでいると、キーオフ時に自動的にオルタネイト・ピッキングを発音させることができます

2つのミュート

新たに発音している絃を止める「ミュート・ストリング」と、左手に絃を触れた状態で絃を弾く「ミュート」を搭載しました。ミュートはキー・スイッチ(E1)を押しながら各弦を発音させることで、動作させることができます。

Half / Whole 切り替え

ベンド系のアーティキュレーションや、Tsuki-Iro、Hiki-Iro使用時の音程の変化量(半音/全音)を、キー・スイッチ(A#1)で切り替えることができるようになりました。KONTAKT Full版ではCC#11でしたが、MIDI Noteで直感的にアクセス可能です。

アーティキュレーションのスピード・コントロールに対応

「instrument」ページ内の「Articulation speed」で、VibratoやTremolo系のアーティキュレーションの再生スピードを50〜200%の範囲で調整できるようになりました。これにより、より自由なフレージングが実現可能です。

キースイッチ配列を最適化

リアルタイム演奏や、DAWソフトでのプログラミング時の操作性と編集効率を熟考し、各アーティキュレーションのキースイッチ配列を最適化いたしました。奏法タイプごとにより把握しやすくなっていますが、KONTAKT Full版に慣れているユーザー様はご注意ください。


 

Instrument Modeler機能

左がKONTAKT Full版。右がKOTO 13 Version 2

KOTO 17KOTO20SANSHINでご好評を頂いている「Instrument Modeler」機構を搭載しました。これは、箏のサウンドに大きな影響を与える「爪」と「絃」という2つの要素を再現する機能です。

Pick(爪)では、3種類の厚さと、ピッキング時に生じるアタック成分の音程、そして絃が弾かれた瞬間のインパクト成分をコントロールします。
String(絃)では、3種類の絃の太さと、各種ノイズの音量をコントロールします。また、ピッチベンドのベンド幅を0〜5半音の範囲で変更できるようになりました

これらのパラメーターを組み合わせることで、伝統的な十三弦箏らしいサウンドだけでなく、現代的なサウンドトラックやエレクトロ・ミュージック、実験音楽にも最適な先進的で攻撃的なサウンドを生み出すことができます。「mix」画面でマルチマイクを切り替えたり、様々なエフェクトと組み合わせてお使い頂くと効果的です。

 


 

String エディター

左がKONTAKT Full版。右がKOTO 13 Version 2

従来バージョン同様に13の白鍵を各弦に見立てる独自の演奏モードを採用。28種類のスケール・プリセットやユーザー・スケール機能で簡単に箏の雰囲気を楽曲内に取り込むことができます。

さらにKOTO 13 Version 2では、KOTO 17、KOTO 20でご好評を頂いた「String エディター」を搭載しました。これは13本の絃の音程、ファイン・チューニング、ボリューム、パンを個別に調整できる機能で、まるで13本の絃を独立した楽器のようにお使い頂けます。カスタマイズした内容は「ユーザー・スケール」として保存/呼び出しが可能です。

またGUIも一新。発音/設定状況を一目で確認して頂けるようになりました。

 


NKSフォーマットへの対応

新たにNKSフォーマットに対応し、KONTAKT Full版だけでなく「KONTAKT Player」や「KOMPLETE KONTROL」といった無償の製品でもお使い頂けるようになりました。
KOMPLETE KONTROLキーボードなどNKS対応ハードウェアとの連携時には、音色を素早くプレビューしたり、ハードウェアのノブやコントローラーから直接音源の各パラメーターにアクセスすることができます。

 

NATIVE ACCESSプラットフォームへの対応

製品のダウンロードとインストールも、NATIVE ACCESSからダイレクトに行えるようになりました。インストールからアクティベーション、アップデートまでをNATIVE ACCESSでスマートに管理できるだけでなく、マシン買い替え時の再インストールもこれまで以上に簡単に行えます。

 


 

このように、使い勝手とサウンド・バリエーションが大幅に向上したKOTO 13 Version 2、ぜひ皆様の音楽制作にお役立てください。2021年9月30日までは特別価格 $234.3(定価 $286.0)でお求め頂けます。製品の詳細&ご購入は製品ページをご覧ください。

なおKONTAKT Full版の登録ユーザー様は、優待アップグレード価格($57.2)でご購入頂けます。アップグレードのお申し込みは特設ページをご覧ください。