TAIKO THUNDER 開発ブログ Vol.4 金属パーカッションとかけ声
前回までは太鼓系楽器の機能を中心に紹介してきましたので、今回はTAIKO THUNDERのもう1つの重要な要素。金属パーカッションとかけ声について見ていきましょう。
5つの専用音源を収録
TAIKO THUNDERは、太鼓に加えてチャッパ、鉦鼓、神楽鈴の3つの金属パーカッション。そしてかけ声の専用音源を1製品に凝縮したタイトルです。 開発の初期段階で、シリーズとして全楽器のユーザーインターフェイスを統一するべきか…と悩みましたが、それぞれ違う楽器。独自の演奏表現に必要な機能やインターフェイスも当然変わってくるということもあり、楽器ごとの専用設計とすることになりました。
その結果、TAIKO THUNDERには下記の計20種類のNKI(KONTAKTのパッチ)が収録されています。
- 太鼓系楽器(16種類)
- チャッパ
- 鉦鼓
- 神楽鈴
- かけ声
一部の画面デザインやパラメーターは異なりますが、キー配列や前回紹介した演奏モードといった音源の核になる部分は共通ですので、どの音源も違和感なくお使いいただけるようになっています!
チャッパの特徴
現在の太鼓アンサンブルで欠かせないチャッパは、2枚のシンバルを両手で打ち鳴らす楽器。構造としては非常にシンプルですが、打ち鳴らすときの角度や重ね方を変化させることで、様々な音色を作り出すことができる、非常に奥の深い楽器です。
TAIKO THUNDERでは現代のチャッパ奏法を確立した太鼓奏者、金子竜太郎氏(https://shop.ryu-beat.com/)による演奏を収録しており、オープンからクローズまで現代的なチャッパ奏法に対応する豊富なアーティキュレーションを備えています。 様々な奏法を高速で刻んでいく現代のチャッパ奏法を、いかに簡単に打ち込めるようにするかが開発の大きなテーマでした。
太鼓同様、5つのキーとMIDI CCで多彩な奏法を鳴らし分けることができるStandard Modeと、すべてのアーティキュレーションを鍵盤上に配置するAdvanced Modeが切り替え可能で、制作スタイルに合わせてお選びいただけます。 特徴的なのがStandard Modeで、C3キーにクローズ系奏法、E3キーにオープン系奏法が割り当てられており、Mod.Wheelを操作することでチャッパの開き具合をリアルタイムにコントロールすることができます。
また、どちらのモードでもD3はロール奏法専用キーとなっていてノートオンでダウン、ノートオフでアップの演奏が発音し、Mod.Wheelを操作することでクローズロール〜オープンロールをシームレスに切り替えることができるので、鍵盤を連打するだけで高速のチャッパ演奏を打ち込むことができます。
鉦鼓の特徴
鉦鼓は、鉦を撞木(しゅもく)と呼ばれる先端に鹿の角を付けたバチで内側を擦るように演奏するパーカッションです。雅楽や仏教などでも広く使われている楽器で、それぞれ少しずつ異なるのですが、TAIKO THUNDERでは阿波踊りの鳴り物として使われる鉦を収録しました。
鉦のどこを打っているのか、画面でリアルタイムに確認できるようになっています。 また鉦鼓ならではの機能として、ノートオフ時に撞木が擦れるノイズを発音させることもできます。ちょっとした要素ではあるのですが、これが入ることで独特のリアリティを加えることができます。
神楽鈴の特徴
巫女が神楽舞を舞う時に手に持っているのが神楽鈴。一振りするだけで幽玄な雰囲気に包まれるようなサウンドが魅力の楽器です。
TAIKO THUNDERでは縦振り、横振り、回しながら振る、ロールといった考えうる演奏バリエーションを網羅しているほか、Mod.Wheelによって「Bells」というパラメーターが変化し、鈴の数を増量することができます。
神楽鈴には下から7つ、5つ、3つの合計15個の鈴が付けられていますが、Sizeのパラメーターを使うことで2倍となる30個の鈴を鳴らすことができます。
かけ声の特徴
アンサンブルに欠かせないかけ声も豊富に収録しました。収録内容は、男性ソロ(3人分)、女性ソロ(1人分)、男性3人アンサンブル、男女4人アンサンブルの6バリエーションで「はっ」「よっ」「それっ」など、お馴染みのかけ声を用意。
声部ごとにかけ声のピッチやスピードを調整することで、音色バリエーションも作ることもできます。
次回は、楽器の音色カスタマイズに関するパラメーターについて紹介する予定ですので、ご期待ください!