KOTO 17、KOTO 20 活用Tips Vol.3
今回もKOTO 17、KOTO 20の活用Tipsを紹介していきます。今回は各製品に収録されているアーティキュレーション(奏法)の概要をお送りいたします。
今回紹介するのはInstrument Modelerという機能。これは箏を弾く爪の厚みや、絃の太さによるサウンド変化をモデリングすることのできるSonica Instruments独自の機能で、SANSHINでもご好評頂いていたものを箏用にチューニング。弦楽器のサウンドに大きな影響を与える要素を操れるのはもちろん、設定によってはアグレッシブで実験的なサウンドを生み出すことも可能です。
今回も動画と共にご覧ください!
爪によるサウンド変化
爪によるサウンド変化を調整します。この3つのパラメーターは、いずれもサウンドのアタック成分に影響を与えます。
character:爪の厚みを「厚め」「標準」「薄め」の3段階で切り替えます。厚めの爪では豊かでパワフルな低域が。薄めの爪では煌びやかで繊細なサウンドを得ることができます。
pitch:爪が絃に触れたときに生じるアタック成分の音程を調整します。このパラメーターを上げることでブライトで音ヌケの良いサウンドに。下げることで深みを持ったサウンドを得られます。
impact:爪が絃を弾いたときに生じるインパクト成分をコントロールします。アタック要素の強さが変化します。
絃によるサウンド変化
tone:絃の太さを「太め」「標準」「細め」の3段階で切り替えます。弦が太くなるほど力強いサウンドに。細い絃では明るくキレの良いサウンドが得られます。
また、その他に各種ノイズの量や絃のリリースタイム、ピッチベンドのレンジ幅も調整可能です。ちなみにピッチベンドは打弦している絃のみに掛かるので、他の絃の余韻に影響を与えません。これにより、押し手や引き色、突き色といった箏特有の演奏表現を自然に再現することができます!
リアルな箏から先進的なサウンドまで
これらのパラメーターを組み合わせることで、リアルで生々しい箏から、箏の枠に捕らわれないアグレッシブで先進的なサウンドまで、自在に作り上げることができます。
例えばpitchとimpactを高めに設定することで、よりPluck感を強調したサウンドを作ることもできます。またSonica Instruments製品の特長の1つであるマルチマイク機能を組み合わせ、アンビエントを多く含んだRoomマイクに激し目のセッティングを行うことでまるでシンセのようなユニークなトーンを作り上げることも可能です。
なおInstrument Editorに限らずほとんどのパラメーターは、Komplete Kontrol Keyboardなどから直接操作することができますので、対応ハードウェアをお持ちの方はぜひお試しください!